KNOWLEDGE OF THE CHAIN チェーンの基礎知識

チェーンの基礎知識

チェーンの歴史

人間が線からチェーンを作るようになったのは、おそらくエジプト、メソポタミヤ文明にまでさかのぼるのではないかと言われています。

フォックステールのように比較的複雑な構造のチェーンでさえ、すでに紀元前に造られています。

(ニューヨークのメトロポリタン美術館、その他に沢山ある古代ギリシャの植民地一黒海周辺からの発掘品、金製の装飾品、推定400BC)。

以来、いつの時代にもチェーンは装身具として重要な役割りを果たすことになりますが、新しい流行が巻き起こったのはヨーロッパでも中世末期です。

中世ヨーロッパに於いて画かれた王侯貴族、富裕な商人達の肖像画には必ずといってよい程沢山の金のチェーンを身にまとっているのがみられます。

日本に於ても昔の鎧の鎖カタビラは云うに及ばず、刀の吊り具として、やはりフォックステールと同じ構造のチェーンが使われています。

従って装飾用のチェーンの歴史はずい分古いと言えます。

どの様にして線をつくったのかは分かりませんが、5500年位前に人類が金属というものを使い始めると同時に、この珍しい貴重なものをまず装飾に使ったことは間違いありません。

はじめは単純な丸環をつくり、つなぐ、次にそのつなぎ方を工夫する。

ネジル等していわゆる小判、喜平、フォックステール、ロープ、メッシュ、等のチェーンが次々に出来たものと思います。

これに比べれば工業用のチェーンはずっと後になって鉄が様々の実用に使われるようになってからはじめて出来たものと考えられます。

それも主として機械や武器等の実用上の用途に使われたものと思います。

自動機械が発明されたのは70〜80年前、おそらくドイツかアメリカが最初でしょう。

日本には大正の末頃はじめて輸入されたのではないかと言われています。

チェーンの分類

チェーンを用途別に大別すると3つに区分されます。

1.工業用

主として船舶のいかりなど重量物吊上用と伝動(動力伝達)部品用とあります。

共に鋼鉄製で機械的機能、強度が生命となります。

2.金物用

鉄、真鏡、アルミ等の材料を用い種類も余り多くはありません。

強度と耐創地性が主となります。

3.装飾用(アクセサリー・ジュエリー用)

歴史も古く種類は無限に近い程多くなります。

強度や柔軟性などの機能は勾論ですが、身の廻り品としての美しさが大切です。

手造りと自動機械製の二種あり、使用材料は、シルバー、ステンレス、ゴールド、プラチナ等の貴金属から、鉄、銅、アルミの合金に至るまでありとあらゆる材料が用いられます。

用途はネックレス、ブレスレット、ペンダント、ロケット、ブローチ等の装身具をはじめ、キーホルダー、パースチェーン、キーチェーン等、身の廻り品の吊下げ用、時計、カメラ、眼鏡、電気器具等の様々の部品として、又近年室内装飾用にも使われ初め、その範囲は年を追って広がりつつあります。

アクセサリー・ジュエリー用チェーンの種類

1.ハンドメイドチェーン

「手造り」のチェーンには全く種類の制約はなく、殆ど無限の可能性があります。

厳密にいえば手造りとは全く1から10まで手で造られたものでなければなりませんが、実際には半分位、機械の助けをかりるものもあれば、機械製のチェーンを加工する場合もあり、厳密に区別は出来ません。

併し、一応リンクをつなぐまで機械で自動的に行なうものを機械製とし例え型等で成型(プレス)してもはじめから手でひとつづつ、つないでゆくものを一般に手造りと称しています。

多くのチェーンがいまでも手で作られているが、特に我が国に固有なものに「小々波」とか「子持ち」等というチェーンがあります。

しかし「小々波」にしても部品としての棒の部分やチェーンは今では別々に機械で造られています。

2.機械製造チェーン

型(寸法、形)加工等による種類は一万種を超えるとも言われていますがチェーンの構造とそれに対応する機械の種類によって分類すると大体30種前後になります。

チェーンは一定の部品(チェーン環、コマ、リンク)を連続的につないだものですが、そのつなぎ方は大きく分けると以下のの4つになります。

  1. 線環をつないだもの
  2. 線環を板や棒状のリンクでつないだもの
  3. かしめによるもの
  4. ピンによってつないだもの

機械製造チェーンの基本型

あずき(小判)チェーン

小判型はサイズや縦横の比率を変えたり線の断面に形を変えることで様々は種類を生み出します。

品質の良いチェーンはパーツの形が正しく成形され均一であること、接合部はキチンと閉じていること、加工傷がなく各パーツが直角をなして転結しネジレがないことが大切です。

小判型チェーン 標準タイプ 丸タイプ ロングタイプ

喜平チェーン

あずきと同じく最も古くからあるチェーンの1つです。

コマを捩じらせることによってすべてのコマが上面(正面)を向くというのが特徴です。

ゆるやかな曲線を描いてガタがないものが良い製品と言えます。

喜平型チェーン 標準タイプ

ロープ・縄・フレンチロープ系チェーン

ダブルトリプルに編んだ丸カンチェーンのたいへん目のつんだものを指します。

丸カンの切り口に一定の隙間を設けたものをダブルやトリプルで編んでいきます。

ロープ・縄・フレンチロープ系チェーン

フィガロチェーン

あずきや喜平で長短2種おコマを交互に連結したものを指します。

1:1、1:3、1:5などが一般的です。

フィガロチェーン

ベネチアンチェーン

別名ボックスチェーンとも呼びます。

四角のコマを繋いで製造します。

ベネチアンチェーン

ボールチェーン

かしめ構造によって連結するチェーンの代表的なものになります。

形が揃っていること、ガタガタしていないこと、絞り傷がないことが良いチェーンの特徴です。

ボールチェーン

スネークチェーン

かしめ構造によるチェーンの一方の雄で、外観が蛇を連想させるのでこの名前があります。

断面が丸のほかに四角や楕円などもあります。

良いチェーンはコマの目がつんでいて手触りが良くしなやかです。

スネークチェーン

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